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盛々夏野菜のハードエッセイ & ショートストーリー 【思想、心理、書評、劇評、感想、あらすじ】
 

 

 
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サッカーファンでもない俺が本書にコメントすることを不思議に思う人がいるかもしれない。実は昨年の4月15日、TBS『噂の東京マガジン』が町田市とFC町田ゼルビアについて、偏見にこりかたまった卑劣な報道を流しているのを偶然観てしまった俺は、その報道姿勢に大いに疑問をもち、批判記事を書いた。当時、このブログのアクセス数は一気に増え(といっても弱小ブログであるから一日にせいぜい数十アクセスであるが)、その記事にはこのブログ最多の15拍手がついた。俺にとってインパクトの強いできごとだった。そして昨年末、一時的だがアクセスがまた一気に増え、その理由を調べているうちに上記の記事がFacebookで紹介されたことを知った。そこには酒井良選手のブログのリンクもあり、同選手のブログをみると、本書が紹介されていた。

本書はFC町田ゼルビアを設立し、発展させ、サポートし、J2昇格のために尽力したひとびとの列伝である。町田ゼルビア代表・守屋実氏(20ページ)、「町田ゼルビアを支える会」を立ち上げたサポーター・石黒修一氏(44ページ)、学校法人玉川学園総務部長・山田剛康氏(53ページ)、ゼネラルマネージャー・唐井直氏(63ページ)、ランコ・ポポヴィッチ監督(66ページ)、Jリーグ専務理事・中野幸夫氏(92ページ)、町田市・石阪市長(99ページ)、酒井良選手(124ページ)、元町田サッカー協会理事長・重田貞夫氏(153ページ)、オズワルド・アルディレス監督(184ページ)。

大企業を母体としない市民クラブによるJリーグへの挑戦。それはドイツを手本とし、スポーツを町の文化としてねづかせていく壮大な試みの一部であった。そして「美しく攻撃的なサッカー」を理念とし、その理念に徹底的にこだわるぶれない信念(165ページ)。プロサッカーチームの新しいかたちを模索し、着々と成功をおさめているかれらの、知恵と勇気と努力に拍手を送りたい。報道で流されたスタジアム問題の真相は第3章で詳しく語られる。メディアセンターの建設という起死回生の秘策を市長が決断したことによって、J2入りは一気に具体化した。

さて、2012年のシーズンをJ2最下位で終えたFC町田ゼルビアは、JFL(3部リーグ)へ降格となり、2013年、ふたたびJ2入りをめざして戦う。がんばれ町田ゼルビア。

FC町田ゼルビアの美学: Jリーグ昇格を勝ち取った市民クラブの挑戦FC町田ゼルビアの美学: Jリーグ昇格を勝ち取った市民クラブの挑戦
(2012/03/23)
佐藤 拓也

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群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡したツアーバス事故で、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された千葉市中央区新宿、運転手河野化山(かざん)容疑者(43)が、休息のため石川県内のホテルに滞在中、中国人向けツアーの手配をしていたことが3日、バス運行会社の関係者らの話で分かった。
群馬県警は、河野容疑者がツアー手配のため十分な休息を取らなかった可能性もあるとみて、詳しく調べる。
(以上、読売新聞 5月4日(金))

十分な休息を取ったか取らなかったか、警察がそれを捜査するのは当然である。
しかし、マスコミにリークすることは別問題だ。
容疑があろうとなかろうと、俺たち日本人には、プライベートな時間の過ごし方を勝手に公開されない権利がある。
容疑が固まったら黙って送検すればいいのであって、マスコミを使って社会的に制裁することは警察の職務ではない。司法の領域に踏み込む越権行為である。
そして、リークされた内容を無批判に垂れ流す大マスコミはいっそう罪深い。むしろ、世論操作のための深刻な人権侵害として告発すべきではないのか?

警察とマスコミ、この両者における人権意識の希薄さは重症である。彼らは自分のプライバシーをガラス張りにされたらどう思うだろう。しかし、彼らにとって法の下の正義よりも上司の顔色の方が優先度が高いのであろう。生活がかかっているからね(だとすると、正義を優先した方が得をする仕組みが必要である)。

警察と大マスコミの談合によって、一旦容疑者と名指された者は人権を剥奪され、プライバシーを晒される。容疑者にもあるはずの法律上の権利は、新聞を読みテレビを視る大衆(つまり俺たち)の「知る権利」をアリバイにして蹂躙される。こうして決して告訴されることのない違法行為が堂々とまかり通る。
その背後で、バス会社、旅行会社、いやそれよりも、過剰な規制緩和を実行して今回の事故の原因を作った巨悪である旧政権のリーダーは免罪されるのだろうか。 

 

 

 

 
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2012年4月15日『噂の東京マガジン』で、町田市の行政批判をやっていた。FC町田ゼルビアのJ2昇格を実現すべく、昇格の要件である「TV放送設備」「記者会見場」を整えるため、2億円の予算を使って仮設メディアセンターを建てておきながら、10試合開催しただけで解体する計画だ、これは税金のムダ遣いではないか、という内容であった。市の担当職員をカメラの前に立たせ、晒し者にするその報道姿勢に疑問をもった。

第一に、市職員は市議会の決定なくして勝手に建築を進めることはできない。逆に、建築したくなくても議会の決定があれば従わざるを得ない。良くも悪くも責任を負うべきは市長もしくは議会であって、カメラの前に立たされた職員ではない。

第二に、上記メディアセンターの建築は、J2昇格の悲願を叶えるため、まさしく急場しのぎで計画されたという点だ。FC町田ゼルビアは、前のシーズンでも対戦成績・観客動員数ではJ2昇格の要件を満たしていたにもかかわらず、設備面の要件を充足することができずに涙を飲んだ。だとすれば、今シーズンでその悲願を叶えようと、市を挙げてなんとか2億円の資金を工面し、工期が短く開幕に間に合う建築を敢行したということは十分考えられる。J2昇格が実現しない限り、スタジアムを本格的に整備する予算が付かないとしたら、こういうテクニックを使わなければ永久に昇格は実現しない。これは町田市がどうこうという問題ではなくて、資金の使い途に融通性のない、日本の行政機構全体の問題、あるいはJリーグの審査システムの問題ではないのか?

第三に、この番組が、J2昇格のために税金を使うことの是非について態度を明確にしていないことが気になった。議論があってよい問題だが、これをどう扱うかで上記の財政出動に対する評価も違ってくる。

俺は取材できる立場にないので真相はわからない。法令にもうとい。しかし、この報道は現象の背景を問うことなく、現場で汗を流している人々への配慮を欠いていた。
せっかくの面白い素材を扱いながら、行政の怠慢という硬直した図式に無理やりあてはめようとし、後味の悪い報道であった。


2013年1月2日の追記

佐藤拓也著『FC町田ゼルビアの美学』(出版芸術社刊)を読んで真相を知ったので、上で述べた推測を訂正しておきたい。上の記事の中で、「J2昇格が実現しない限り、スタジアムを本格的に整備する予算が付かないとしたら」という俺の推測は誤りである。2011年4月の時点で、約26億円を投じてメインスタンドを改修する計画はすでに決定していた。問題は工期であった。メインスタンドの完成は早くても2012年の10月末であり、仮にJ2昇格を果たしたとしても、2012年中にホームスタジアムで開催できる試合数は限りなくゼロに近い。ホームスタジアムを用意できないチームに対するJリーグ側の対応は「審査に値せず」でしかなかった。こうして、メインスタンド完成までの間、最低限のJリーグ基準を満たすため、メディアセンターの建設が決まったのである。 
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盛々夏野菜

Author:盛々夏野菜

男性、既婚、事務系サラリーマン。
現代思想フェチだが、本を読むのが遅いのであまり多くは読めない。地底人生活を経て現在は臨床心理に関心がある。新鮮な胡瓜が好き。
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