きゅうり

 

盛々夏野菜のハードエッセイ & ショートストーリー 【思想、心理、書評、劇評、感想、あらすじ】
 

 

 
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浜田麻里 Live Tour 2012 “Legenda”がBSフジで放送される。
11月18日(日)25:00~25:55
11月24日(土)28:00~28:55(再放送)

番組情報ページ

追記 曲目リスト
01 Crisis Code
02 Crimson
03 Antique
04 Heartstorm
05 Momentalia
06 Blue Revolution
07 Paradox
08 Fantasia 
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テーマ * ハードロック ジャンル * 音楽

 

 

 

 
Mari Hamada Live Tour 2012 "Legenda" 5月26日、中野サンプラザ公演をフル収録したDVDが12月5日に発売される。

Mari Hamada Tour 2012 “LegendaMari Hamada Tour 2012 “Legenda
(2012/12/05)
浜田麻里

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テーマ * ハードロック ジャンル * 音楽

 

 

 

 
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前編からのつづき)

07.Ransei-Conscientia

<本人解説より>読みはランセイ・コンスキエンティアです(”WeRock"027)。

<1行目>(叶わぬ恋に絶望し)絶望のあまり虚ろな目をして白夜の中を歩かされている囚われ人のように。
<5行目>Eroica=英雄。(私は愛のためにすべてを犠牲にし、それでも報われないけれど)あなた方はどうなの? 勝ち組の英雄さん?
<6行目>自分で選んだ道だから迷いはないが。
<8行目>乱世=苦痛に満ちた現代。
<10―11行目>空気を読んで慎ましく振舞ったほうが得なのはわかっているけどできない。いっそ「世捨て人なので」とでも言って煙に巻こうか。
<12行目>罪を纏う涙=傷つけ、傷つけられて十字架を背負った者が流す涙。

08. The Greatest Cage

<本人解説より>「The Greatest Cage」はじつは私達の住むこの星、ということで……(”WeRock"027)。

<1-3行目>自分の苦しみを誰かに知らしめたくて、必要以上に大袈裟な悲鳴をあげてしまった夜。
<4行目>こんなことをしていていいのかと何度も問いかけた。
<5行目>運命をのろった。
<6行目>何か得体のしれない存在が私を苦しめる。
<7-8行目>極楽よりも絶望を欲する、なんと哀しい欲望。
<9行目>夢よりも絶望を欲する。
<10-11行目>私をいっそう苦しめようとして爪を研ぐこの世界は、私にとって巨大な監獄。
<18行目>この世界よ、爪を研いでもっと私を苦しめろ。
<20-21行目>極楽よりも絶望を享楽する、なんと哀しい満足。
<33行目>私を苦しめながら啜り泣いているこの世界は。

09.Etranger

Etranger(異邦人)=もう一人の私(イド)

<1-2行目>Double fantasyはジョン・レノンの遺作アルバムの名前。
もう一人の私(イド)がいる。だから私を魅惑する幻想は二つ。私を駆るエンジンも二つ。
<3-4行目>私の中の見知らぬ私(イド)が、躊躇するな、心のままに生きよと私の背中を押す。
<6行目>己れの(世間から理解されない)孤独を粗々しく受けとめた。
<7行目>「真摯な愛情」と「気まぐれ」は容易に入れ替わる。どちらかが正しいとは、もはや言えない。
<8行目>理性の憂いが、イドの情熱にのみ込まれ。
<11-12行目>私をどこに連れていくの? 哀しい性(さが)=イドよ。
<13行目>胸のshadow=イドが目を覚まし、私は新しい生きかたを始める。
<14行目>そこはカンパネルラの町だ(トマソ・カンパネッラはイタリア・ルネッサンス期の聖職者にしてユートピア思想家。独自の思想と強い意志を持ち、異端思想を説いた廉で何度も投獄され、拷問、迫害に耐えぬき、狂人とみなされた。『太陽の都』は主著)。
<15行目>その異端者の都へ「憧れ」を探しに行こう。
<30行目>暴挙のshadow=見境なく、野蛮なイド

10.Get Together

愛しい人よ、乱世を共に生きよう。心のままに。

11.Aurea

<本人解説より>タイトルの「Aurea」(アウレア)は"黄金の"という意味です(”WeRock"027)。

苦しくても希望を持って生きよ。おまえは美しい。光は近い。


・アルバムの成り立ち

シングルに向きそうなキラーチューンは04と07。
クライマックスは06、08、09かな。新境地を開く野心作なので歌詞は一見難解だ。浜田さんはこういう勝負曲をアルバムの後半に持ってくることが多い。
10で明るい展開になり、11の優しいバラードで幕を閉じる。


・追記1(雑誌掲載)

俺は音楽に関しては門外漢なので、興味のある方は次を参照していただきたい。
(1)We ROCK Vol.027 インタビュー、本人による全曲解説、レコーディング参加メンバーからのメッセージ
(2)Player 2012年 04月号 インタビュー(マイクの型番やビブラートのかけ方など、テクニカルな話題が多い)
(3)MASSIVE Vol.5 インタビュー((2)とは真逆で、アーチストとしての生きざまに関する話題がほとんど)


・追記2(雑感)

(1)冒頭曲Crisis Codeを聴いていて、Alan Parsons Project "Eye In The Sky" の冒頭曲、'Sirius ~ Eye In The Sky' を思い出した。ベースのロングトーンにピアノのリフ('Sirius ~ Eye In The Sky' ではギターのリフ)がかぶるイントロ、ほとんどコード進行しないフラットな楽曲。どちらもアルバムの冒頭を飾るにふさわしい、スタイリッシュな佳曲だ。

(2)バックコーラスの聴きどころ(バックコーラスといっても、もちろん浜田さん本人の声だ)。
03.'HeartStorm' 21行目「今激しく口づけよう」の「口づけよう」のところでかすかに聞こえる同じフレーズ「口づけよう」のなげやりな唱法。
06.'Forest' 冒頭「Ooooooooo」にかぶるバックコーラスで、浜田さんにしては珍しくクラシック風のファルセットを使っている。
08.'The Greatest Cage' さび部分「More than paradise 哀しきDesire More than dreams 爪を研ぐ大地は」にかぶるバックコーラスのアレンジがいい。

LegendaLegenda
(2012/02/15)
浜田麻里

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テーマ * ヘヴィメタル ジャンル * 音楽

 

 

 

 
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浜田麻里さんが、"Marigold(2002)"以来のハード/メタルエイジの集大成というべきモンスターアルバム"Legenda"をリリースした。

赤土の大地を背景にしたジャケット写真と、花文字フォントのタイトルは、前作"Aestetica(2010)"のアルバムアートと共通であり、同じ路線のアルバムであることがわかる。


・前史

ハード/メタルを信条としながらも、つねにに自分らしい表現を模索しつづけ、この間、試行錯誤の連続だったのであろう。様式が確立する途上の部分にクリシェの支配がめだち、聞き所は多いが捨て曲もある、中くらいのアルバム群を生む結果となっていたことは否定できない。

それが、"Sur lie(2007)"で新しい作曲家を起用するとともに、音作りにいっそう徹底してこだわり、参加ミュージシャンへのコントロールも強め、楽曲全体の底上げとアルバムの統一感の醸成に成功した。

さらに前作"Aestetica"で冒頭曲'Stay Gold'に代表される「ゴシック」「様式美」の世界との出逢いによって突破口を開き、緻密にして情熱的、そして隙のない音世界をつくりあげた。たしかに、彼女にはアフリカンなノリよりもブリティッシュな暗さのほうが似合う。


・総論

そして本作"Legenda"では、前作の延長線上で「ハード」にして「ダーク」な傾向を強めるとともに、楽曲の選定にも音づくりにもいっそうのこだわりをみせ、ミュージシャンにはカミワザ的プレイを要求し、完成度を上げた。co-producerというべきサウンド面のブレーンは大槻さんから増田さんに交代した。浜田さんの自作曲が増え、新しい作曲家の曲の起用も多い。
しかし、本作のもつ「鬼気」にあてられてしまうと、こういう言葉を書きつらねることも、無用なむなしいわざではないかという気がしてくる。
今までの浜田麻里ではない。今までの浜田さんは、ハード/メタルを自分のものとして消化しつつも、その形式を借りて表現している印象があった。しかし本作では、浜田さんの強烈な歌詞世界が、内的必然性としてハード/メタルの様式を要求した感じがする。

「女性ロックとしては前例のないところにきてしまった」と彼女はインタビューで述べている(CS MUSIC AIR "MA HEADLINES♯35")。この傑作を完成させた人の深い自信からでた発言であろうと合点がいく。

ところで、近二作(前作"Aestetica"と本作"Legenda")は、その隙のない完成度においてウィスパーエイジの掉尾を飾った二作("PHILOSOPHIA(1998)"と"Blanche(2000)")に似ている。この二作をリリースしたあと、浜田さんは一気にハード/メタル路線への転換をはかった。
今回、高い完成度を達成してしまった浜田さんが、今後もハード/メタル路線で活躍することに満足できるのか、心配になった。もちろん、それは今後の彼女の展開をみていかなければわからないことで、今考えてもせんのないことである。

本作について、浜田さんは「日本のいつまでも閉塞感ただよう風潮、そこに私の心意気を見せたい」「ダークで陰鬱な表現だけれども、だからこそカタルシスを感じる手段はあるんじゃないか」と語っている("MA HEADLINES♯35")。
前者は、自分の牙を隠して時代に迎合し、状況に呑みこまれて憎悪の眼をしているエリートたちへの痛烈な皮肉として、またその状況にもかかわらず風に向かって立つ異端児たち、つまり「不実な恋花」や「哀しきwarriors」、そして「乱世の花」の肖像として歌い上げられる。
後者は、状況への怒りよりも、逆境にたちむかう異端児たちの決意の凛々しさが、リスナーの心を揺さぶる。
そしてリスナーは「自分を信じて生きよ」という力強いメッセージを受けとる。もちろん俺もだ。ありがとう、浜田さん。

本作で浜田麻里は本当に伝説(Legenda)になった。


・各論

タイトル"Legenda"の意味について、浜田さんは「異端児たちの逸話集」("WeRock"027)と述べている。そういう視点で歌詞をみていくと、本作の難解な歌詞世界に少しは接近できるかもしれない。

以下の解釈は、本作の難解な歌詞と、浜田さんの歌詞に馴染んでいないリスナーとの間を架橋する試みである。この解釈を読む人が、浜田さんの歌詞世界と自分との接点をひとつでも多く発見し、この傑作アルバムをより深く味わってくれることを願う。
俺自身よくわからないところがたくさんあり、正確な解釈をする自信は全くない。しかし、一見とりつくしまがないほど難解な歌詞に、強引と言われそうなほど立ち入った解釈をすることによって、すこしでも多くの手がかりを提示したい。
俺の解釈に不賛成でかまわない。あまりの難解さに手がかりを見いだせないままでいるよりも、俺の解釈への反感ををテコに本作の歌詞世界に分け入っていただければ嬉しい。

01.Crisis Code

<大意>抑圧されたイドの激情が危機の予感=暗号として感じられる。その正体をつきとめ、激情を解放せよ。
<本人解説より>「危機感やドキドキする感じ」を出した("SANKEI EXPRESS" 2/15付 サウンドボックス)。

<タイトル>危機の暗号

<1行目>戦慄=危機の予感。
<2行目>激情を捨てて安逸を貪っているのが愚鈍。
<4行目>哲学的混沌=美辞麗句でイドを抑圧する世界。
<5-6行目>イドがあるから夢を見る。
<7-8行目>激情を抑えているから憎悪の眼になるのであろう。
<9-10行目>謎(暗号)を解く最後の鍵(イド)を教えよう。
<11-12行目>怒り(≒激情)の感情を手懐けられ、イドに気づくチャンスを永久に失う前に。
<13行目>decipher=解読する、はっきりさせる。millor=mirrorの誤植? 鏡の中の見知らぬ人々(自分の中の未知の部分=イド)の正体を明らかにせよ。
<14行目>恐怖における「危機の暗号」を解読せよ(つまりイドを見いだせ)。
<15行目>vocation=使命。それが使命だ。
<16-19行目>人々に激情を捨てさせても無駄だ、やがてまたひそかに激情を抱くのだから。
<20-21行目>泣くことさえ禁じられた、悪夢のような街でも。

02.Momentalia

<大意>過去も未来も幻にすぎない。刹那主義者となって今を楽しめ。

<同じ系譜の作品>'Unconscious Beauty'(無意識美人)in "Aestetica"

<タイトル>モーメンタリア(造語)=刹那主義者

<12行目>愚かな若者たちは、
<13行目>自分を信じることができず、
<14行目>激情を出し惜しんで未来のために取っておこうとする。
<15-16行目>老兵たちは過去の栄光にすがっている。

03.Heartstorm

<大意>激情に取り憑かれ、破滅的に生きる男と、その彼を愛し、寄り添う女の伝説

<同じ系譜の作品>'Broken Glass' in "Blanche"

<タイトル>心の嵐

<18-19行目>あなたの待つ方は茨の道だけど、篠突く雨のベールにおおわれて見えない。今はそのベールの上に甘美な幸福を幻視していよう。

04.Crimson

<大意>恋に生きる女の肖像

<同じ系譜の作品>’Frozen Flower’ in "marigold",'Ash and Blue' in "Sense of Self"

<1-3行目>倒置が使ってある。普通の語順に直せば「不実な恋花のひとひらが煌めいて光った」。「恋花」は恋する女と花とのダブルミーニング。恋しても媚びないから不実に見える。
<4行目>「深き紅」は花の色。ジャケット写真はこのイメージであろう。
<7行目>「実らぬ恋をしている女」または「実っても人から祝福されない恋をしている女」。
<9行目>魔性の女と呼びたくば呼べ。その魔性とやらの激しさで咲き誇ってやれ。
<15-16行目>運命のいたずらに動揺してしまう心の弱さを恥じて。

<付記>紅(くれない)の色を表す言葉としてあえて'Crimson'を選んだのは、King Crimsonに対するリスペクトの表現ではないだろうか。

05.El Dorado

<大意>癒しの理想郷

<同じ系譜の作品>'Promised Land' in "Philosophia"

<3行目>流離=故郷から遠く離れてさすらうこと。
<4行目>Led Zeppelinへのオマージュか。
<7行目>エスペラント=世界共通語。「理想郷」からの連想か。
<20行目>旅人を迎え入れるのは、理想郷に住みついた月世界人か。

06.Forest

<本人解説より>強いメッセージ性を含んでいます("WeRock"027)。

<第1コーラス>世界終末戦争の戦場(?)となった森は死体の山になっている。哀しきwarriors(兵士)が死体を跨いで走り抜けていく。彼はきっと絶望して泣いているだろう(長谷川きよしの「悲しい兵隊」を思い出す)。

<第2コーラス>上記の近未来SF譚は現代の精神世界の荒廃ぶりと重なり合う。
<9-10行目>エリートたちは己れの誇りと愛をいとも簡単に投げ出し、虚栄と因襲のとりこになる。
<11-12行目>彼らの欲望は汚辱にまみれている。彼らの描く腐った未来図など、誰かにくれてやればいい。
<14行目>こんな歪んだ現実にのみこまれるな。
<16行目>この世の謎を解く鍵=人々が誇りと愛のために生きられるようになるための鍵。
<17-18行目>(ここで近未来SF譚がフラッシュバックして)核爆弾で海が吹き飛ばされて消えていく。半分消えかかった海から潮騒の残響が聞こえる。人類の欲望のゆくえはこんな悲惨な未来だった。
<20行目>生ける屍=因襲にまみれて無意味な生を生きている奴らを跨いで走れ。
<22行目>しのびよる汚辱を絶ち切って眠れ。

後編につづく)

LegendaLegenda
(2012/02/15)
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盛々夏野菜

Author:盛々夏野菜

男性、既婚、事務系サラリーマン。
現代思想フェチだが、本を読むのが遅いのであまり多くは読めない。地底人生活を経て現在は臨床心理に関心がある。新鮮な胡瓜が好き。
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